免疫調節剤

 チオプリン製剤

アザニン®   経口剤(潰瘍性大腸炎・クローン病)

イムラン®   経口剤(潰瘍性大腸炎・クローン病)

ロイケリン®  経口剤(潰瘍性大腸炎・クローン病)

カルシニューリン阻害薬

プログラフ®  経口剤(潰瘍性大腸炎)

免疫調節剤は、難治性の病態の寛解導入、寛解維持を目的として用いられます。

チオプリン製剤(アザニンR、イムランR、ロイケリンR)は、潰瘍性大腸炎、クローン病の難治例においてステロイド離脱や寛解維持を目的として使用されます。また、生物学的製剤の二次無効(最初はよく効いていた薬剤が徐々に効かなくなっていく状態)を予防する目的としても用いられます。チオプリン製剤は服用開始して効果が発現するまでに数ヶ月かかります。また、体内での薬物代謝に個人差があるため治療効果をみながら服用量を調節していく必要があります。副作用には、白血球減少などの骨髄抑制、嘔気、食欲不振などの消化器症状、肝障害、脱毛、関節痛、筋肉痛などがあります。このうち、骨髄抑制と脱毛に関しては、血液検査でNUDT15遺伝子の多型を調べることで危険性を予見することができるようになりました。

カルシニューリン阻害薬のプログラフRは、活動期の潰瘍性大腸炎に対して優れた寛解導入効果をもつ薬剤です。十分な効果を期待するためには、一定の血中トラフ濃度(内服する直前の血中薬物濃度)を維持することが大切です。この薬剤の吸収率は個人差が大きいことから、頻回に血中トラフ濃度を測定しながら投与量を決めていきます。寛解導入効果には優れるプログラフRですが、長期に使用すると腎機能が低下することがあるため、通常3カ月間以内の使用に留めます。プログラフRでの寛解導入が必要となる症例では休薬後に再燃することが多くみられます。そこで、プログラフRで寛解導入を試みる時には、早めにチオプリン製剤を併用して寛解維持に備えておくことが推奨されています。